先日、お笑い芸人のウガンダさんが亡くなったという。
朝のワイドショー情報によると、ウガンダさんは糖尿病を患っていたという。
若い頃に糖尿病を発症し、その後、きちんとした血糖値管理や食事療法が行われなかったのであれば、50代で合併症で亡くなるというのは驚くことではないと思う。
糖尿病(II型)は生活習慣病と呼ばれているが、日常の食生活によって一生が左右される病気の一つである。
毎日の食事が栄養的に偏りがなく、量も適正であれば、殆どの人は糖尿病の影に怯える必要はない。
だが、悲しいかな、人は美味しいもの、甘いものが大好きときている。
高齢のお婆ちゃんのウエスト周りがどーんと太いのも当然だ。
食が細いといわれているはずの高齢者の買い物籠の中に、6個1パックのアンパンが入っていたりするのだから。
よく糖尿病は体質とか遺伝とかいう人がいるが、生活習慣病と言う名から考えて、同じ生活習慣を持つ一家で生活習慣病に罹患することは当たり前のことである。
更に、間違った食生活が代々受け継がれるのだから、生活習慣病と縁を切ることができないのだ。
ただ、昭和の時代に戦争があったから、その時代に人生の一部が掛かっている人たちは、食べられなかった時代があった分、重度の糖尿病に掛かっている人は比較的少ないはずだ。
問題はそれらの人たちの子供や孫なのだ。
食糧難という時代がなく、次々に新しいスナック菓子が登場し、時代が右肩上がりで色んな美味しいものが日本に入ってきたり生まれた。
お手軽に食べられるお菓子が出てきたのだから、多くの国民がそれに飛びついた。
食べ物や栄養、食品添加物に無頓着な親は、スナック菓子に子守をさせるようなこともあったと思う。
その時代に子供時代をすごした人たちが、今、糖尿病を患っている。
どんなに暴食をしても、体質にもよるだろうが、血糖値が上がるまでには時間が掛かるものだ。
30代くらいまでは血糖値は正常値だったものが、40代に入った途端にポーンと跳ね上がるということもある。
それがわかるのは毎年健康診断を受けているからだが、健康診断を受けていない糖尿病患者の多くは、合併症を発症してから気付くことが少なくないだろう。
その場合、いわゆる手遅れになっていることが殆どだろう。
私の知人も意識障害を起こして救急車で運ばれ、まもなく人工透析を始めることとなった。
子供の頃から肥満だったので、糖尿病の合併症が起こるまでに大体、30年くらい掛かったことになる。
第三者的に見て、手遅れな状態なのだが、食生活を改善した形跡は今もって見られない。
人工透析、壊死、切断、車椅子、そして、今後は寝たきりになりそうな状況であるが、その先は長くないように思える。
その人工透析であるが、糖尿病患者が罹るのは糖尿病性腎症と呼ばれ、人工透析になる原因の第1位だそうである。
一人当たり月間50万円ほど掛かるという話をネットで読んだ。
患者の自己負担金は東京都では1万円だという。
そのほか障害者手帳や障害者年金が貰えるはずだ。
糖尿病の患者が増え、人工透析をする患者が増えることによって、こんなにも国に負担が増えるのである。
人工透析を始めてからの生存率は5年で5割と言われているが・・・。
私の知人のような子供の頃から間違った食生活を与えられ糖尿病になった人も気の毒であるが、今、これからの糖尿病患者を取り囲んでいる問題はもっと深刻で根が深いと思う。
この不景気とストレスだらけの現代の日本では、落ち着いて正しい食生活を送ることが出来る人は本当に恵まれた一部の人たちだけではないだろうか?
生活がキツキツなのに、豚の赤みの肉を買い、家で余分な脂部分を取り、細かくしたり挽いたりするなんて出来るだろうか?
大部分の人は、予め安く売っている豚ひき肉や細切れ肉、ばら肉を買うだろう。
それらの肉には脂がたっぷり入っているが、その脂部分を包丁で切ることが出来るかどうか???
健康を取るか、脂(肉の値段のうちに含まれている)を取るかの問題だ。
月々3万の食費に抑える、などとやっている主婦にそれが出来るとは思えないが。
先進国は健康志向が高くなり、脂余り現象が起きているという。
その脂(先進国にとっては廃棄物)を後進国に安く輸出している畜産国があると何かの本で読んで驚いた。
この話から読み取れるのは、貧乏人は脂を食べる・食べざるを得ないという食生活の中の貧富の差が国レベルで起きているということだ。
脂は売れる。何故なら美味しいからだ。
このことは間違いなく、日本国内でもすでに起きている現象だと思う。
収入が低いために健康的な食生活を選べない人たちが、生活を守るために自転車操業で働くと、更にどうでも良いものを食べるようになるような気がする。
生活に精神的な余裕がなければ、豊かな食生活などできるわけがない。
だから、病気になる。
自分で食事の支度を出来る時間的、体力的余裕がある人は良いが、夫婦共働きでギリギリの時間で暮らしている人たちは、冷凍食品やレトルトなどの加工品、スーパーのお惣菜に頼らざるを得ない。
加工食品の中にはコストを極力下げて儲けを最大限にするという企業論理がもれなく入っているのだから、食品としてのグレードは推して知るべしだ。
先日、チーズのコストを落とすために、ラード(動物性脂)を混ぜているという話を聞いた。
そのチーズ加工品の用途は、冷凍食品や加工食品など外食産業だという。
現代は不況のため、様々なストレスを抱えている人が多く、そのストレスも食い気に走る原因となる。
疲労をバックアップするために、味の濃いもの、糖分、塩分過多の物を食し、常に脳を活性化して生きている人も多いはず。
このような人たちは自身の健康と引き換えに生活の糧を得ているのだから、どうにもならない現状がある。
その今、何故メタボなのだろうか?
政府がメタボ対策に躍起になっているようだが、これらは政府の支出削減の一環だろう。
透析にかかる医療費は年間約1兆円以上とも言われている。
国は人工透析の費用などを負担したくないが為に、その前段階としてメタボ対策キャンペーンを張っているのだろうか?
糖尿病患者の人工透析に掛かる国の費用は大きいものかもしれないが、患者の自己負担額が極端に増えた場合、透析を受けたくても受けられない患者が出てくるのではないだろうか?
そして、患者にとっては、透析を受けられないということは死ぬことを意味する。
国がやっていることは、国民に生活苦を強い、健康管理さえままならない状態に追い込んでおきながら、いざ病気になった国民には手をさしのべるどころか、切り捨てようとありとあらゆる手を講じているということだ。
お金がない、貧乏暮らしをしているだけでも人間にとっては大きなストレスだ。
明日どうなるかわからない、今月の支払いが出来るかどうかわからない、子供の学費を先々まで手当てできるかわからない、・・・、先の見込みが全く立たない不安的な生活がストレスを生み、国民の健康を蝕んでいることから政府は目を逸らすべきではない。