蛍狩り
私の近所には蛍が出現する場所があって、そこには夜、近所の巨大な住宅団地からだと思うが、人がやって来るという話だ。
何故人が来るのか?
一つは口コミ。
もう一つは、テレビの影響である。
テレビに取り上げてしまえば、そこはもう秘密の穴場ではあり得なくなる。
そして又、秘密の穴場だった時に来たのとは違う種類の人間達が訪れるようになる。
これは近所の人にとって痛い話だ。
家に狭い庭があったり、あるいはなかったりする住宅地の人々は、自然と離れて暮らしているためか、自然に反した行動を取る傾向だ。
蛍が飛ぶのを見るだけでなく、取って持ち帰ってしまうのだそうだ。
なんと可哀想な・・・。
蛍が生息している場所には家は殆どなく、夜、白い光を放って飛ぶ蛍にとって楽園であったはずだ。
人がそばにいても楽しげに飛んでいるようにも見えた。
自分たちが狭い場所に閉じこめられて暮らしているからこそ、自由に飛翔するものに惹かれるのではないだろうか?
アスファルトに囲まれた住宅地に持ち帰られた蛍は子孫を残すことはないだろう。
このままでは蛍は減る一方だろう。
ご近所さんで蛍を復活させようというテレビ局が用意した企画によって振り回され、その周りで蛍は乱獲され減っていくとは皮肉な、しかしながら、想定内の話である。
これで蛍がいなくなれば、もう人も来なくなり、それはそれで良いのかもしれないとさえ思う。
そういう私は、夜中、誰もいなくなったところで、こっそりと蛍を見に行く贅沢を味わう。
大きな雨、台風があれば、蛍は簡単にいなくなってしまう。
はかなく、美しい生き物なのだ・・・。
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