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裏庭から見えた景色

 先日、買い物に行く途中、見事な満開の桜を見た。

 学校の校門の脇にその樹はあったのだが、今年見た桜の中で一番見事だった。

 買い物したところにも桜の樹が何本もあり、どれも綺麗に咲いていた。

 そこの裏は川原に通じていて、時間があったので堤防に登って景色を見たりした。

 川原には釣りをしている人がいて、大きな鯉を釣り上げているところだった。

 それを寒い景色だと夫が言った。

 鯉を食べるために川で釣りをしている風景が寒いと言うのだ・・・。

 そんなものだろうか?

 堤防の近くでは、野球のユニフォームを着たオッサンたちが、車に乗って三々五々に集っていた。

 「こんな時間に野球して遊んでいられるのは公務員じゃないか?」と夫が言っていた。

 そうかもしれない。

 ある場所へ行って、暗い建物に入って、通路を突っ切った先にぱぁっと川原の風景が拡がるって、なんとも言えず素敵な体験だ。

 別の世界へ突然導かれたような感覚に陥る。

 十数年前、訪れた母の母校もそうだった。

 学校の裏にあったのは、濃い群青色したオホーツク海であったのだから。

 あのときは素敵な感じと言うよりは、海に飲み込まれてしまうような、もっと強烈な印象を受けた。

 こんな自然が厳しい所で青春時代を送ったのか・・・と。

 川原からの帰り際、うちの夫がぽつんとつぶやいた。

 「この辺りは川が氾濫したら、すぐ水浸しになるな」だって・・・。

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